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子育て

スマホ時代の自閉症の子供との上手な関わりかた

投稿日:2022年11月12日 更新日:

先日、高校3年生の自閉症の息子が通学中にスマホを落としてしまうというショッキングな出来事がありました(゚o゚;;

幸い警察に落とし物として届けられ一週間後に戻ってきましたが、見つかるまではわたしたち親はもちろん、学校やデイサービスの先生、祖母などたくさんの人を巻き込む大騒動になってしまいました。

この記事はその経験から息子がスマホをなくした際にとった行動、自閉症の子供にスマホを使わせるうえでのやっておけばよかったと思うこと、気づきなどをまとめました。

通学や就労など、お子さんが外でスマホを持つ機会が増える親御さんの参考になればと思います(^_^)

スマホ時代の自閉症の子供との上手な関わりかた

1.息子の概要

息子は18歳で軽度の自閉症です。療育手帳を取得しており等級はB2になります。特別支援高等学校へ公共機関で一人で通学しています。自分自身の日常的な活動は概ね自立してできています。

性格は一度始めたことや覚えたことを継続する力はスゴイものがあり、親のわたしも感心するほどです。

一方でこだわりが強いこと、コミニュケーション力に遅れがあり、言葉で伝えることや理解することが苦手だったり、時間がかかるところが課題としてあります。

2.スマホを落とした経緯

息子は家からバスを2本乗り継いで1時間ほどかけて通学しています。毎朝家から決まった時間のバスに乗り、駅でもう一本バスに乗り継いでいます。

その日はたまたま1本早い乗り継ぎのバスに間に合うかもという状況になり駆け込もうとしたそうですが、結局そのバスには乗れなかったとのことでした。

で、普通ならそこで次のバス(いつも乗る時間のバス)を待つものだと思うのですが、何を思ったのか息子はその出発したバスを追いかけ次のバス停に走って先回りしようとしたとのことでした(ーー;)

そしてその道中で胸ポケットに入れていたスマホを紛失。結局追いかけたバスにも間に合わず…踏んだり蹴ったりの結果だったようです(_ _)

その後ふと我に返った時に胸のスマホがないことに気がつき、登校後に先生にそのことを報告。先生から妻へ連絡が入ったという状況でした。

3.落とした際にやったこと

息子がスマホをなくしたことを聞いた直後はまさか生活の必需品であるスマホをなくすということが自分の回りで起こることへの心の準備がまったくなく、すぐには頭の整理ができませんでした。

そして少しずつ気持ちを整えながら下記の捜索活動をやっていきました。

スマホ会社の手続き

まずは通信会社へ連絡をして回線停止(または遠隔ロック)の手続きをしました。そして回線停止をする前にスマホの現在地を確認したいと思い、その場で位置情報検索の有料付加サービスに加入しました。

位置情報の検索はピンポイントの位置まではわからないようですが、半径700m範囲での検索ができ、落ちたままなのか、誰かに拾われて場所が移動されているのか、などの目星がつきます。落とした場所の目処がつけば現地捜索の手がかりになると思います。

警察へ届け出

警察への届けもすぐにやりました。

今はネットでできるのでわざわざ交番に出向かなくてもいつでも落とし物の登録ができます。

場合によっては即交番に届けられ見つかる可能性もあるので、すぐに届け出はしたほうがいいと思います。

現地確認

現地確認は何度も行いました。計4日間で5回以上。

  • まずは当日の夜に本人と妻が
  • 私の仕事が終わってから本人と私で
  • 翌日の下校後明るい時間に本人が
  • その夜に再度わたしが
  • そして昼間にもう一度わたしが

※本人ももう一度下校時に確認したようです

といった感じで。

結局見つけることはできませんでしたが、人を変えて、時間を変えて複数回行うことで見るポイントや見えかたも変わってくると思います。

自分達でできる行動はすべてやる。結果的に見つかればやってよかったとなりますし、見つからなくてもやれることはやったから仕方がないと気持ちの切り替えにつながると思います。

ただし、その際も位置検索サービスでスマホの所在を確認してから探すことをおすすめします。すでにその場所にはないのに探すのは時間と労力の無駄遣いになってしまいます。

バス会社に連絡

今回は駅のバスターミナルの近くで落としたようなので、もしかしたら拾った人がバスやバス会社に届けてくれている可能性も考えて連絡しました。

2つのバス会社が乗り入れている駅だったのでその両方にと、ターミナルにあるバスの定期販売所にも念のため連絡しました。

※ちなみにわたしが連絡したバス会社のひとつでは、販売所に届けられた落とし物は翌日にはバス会社の拠点に移送されると社内で決められているとのことでした。

4.やっておけばよかったと思うこと

ここが今回のことを経験して特に身にしみたところです。事前に行えていればよかったのですが、実際に経験してその重要性に気がつきました。

セキュリティサービスは利用を

セキュリティサービスとは位置情報検索サービスなどの通信会社の付加サービスのことです。わたし自身はけっこう慎重な性格なのでスマホを落としたりすることはまずあり得ないと考え加入していなかったのですが、家族の性格などによっては必要だと思います。

有料にはなりますが、万が一の時にスムーズに捜索などができるよう落とし物をしやすい家族がいる場合には利用しておいたほうがいいと思います。

スマホを持つルール決め

息子は発達障害の特性もあると思いますが、用もないのにスマホをいじるような依存がちの行動が普段から見られていました。そのためか登校中もいつでも見れるようにYシャツの胸ポケットに入れていたようで、それが今回スマホを落とす原因にもなったと思います。

今回のことで家でのスマホの使いかたはもちろん、外での持ち歩き方もルールを決めておくべきだったと反省しました。

  • 移動中はカバンにしまう
  • 可能であれば落下防止のチェーンなどを使う
  • スマホを見るのは立ち止まった時(歩きスマホ、ながらスマホは禁止)

など。

家でも見る場所、時間に制限をかける習慣は普段からやっておくべきだと思います。

親が適切に介入を

スマホを落とすと保存している写真や電話帳などの個人情報が流出するリスクにつながります。進学や社会に出ると交友関係も広がっていき、その範囲はさらに大きくなります。

スマホ内の情報の管理については親が適度に介入し、情報の更新、取捨選択を定期的に行うなど不要な情報は持たないようにしてしていったほうがいいと思います。

万が一の際の被害を最小限にしていく予防が必要だと思います。

物事の優先順位、状況による判断の訓練を普段から!

スマホの使用方法とは異なりますが、本人の考えかた、行動のしかたに関わるという点では今回のことは大きな教訓になりました。

なぜ息子が1本早いバスを追っかけたのか最初は疑問でしたが、改めて考えると高校生活のなかで「余裕を持って行動する」「天気が悪い日などは遅刻しないよう1本早いバスに乗る」ということを覚えたことがあったのかもと後から思いました。

自閉症の子の特性かもしれませんが「1本早いバスに乗る=いいこと」というように白か黒かでインプットされたのかもしれません。

なので今回の事件(?)のあとは本人に「なぜ?」を考えさせるという意味で次のことをじっくり話し合いました。

  • なぜ一本早いバスに乗るために走って追いかけたの?
  • 今回は一本早いバスに乗って学校に早く行く必要があったの?
  • 不要なのに追いかけなければスマホを落とすことはなかったのではないの?
  • 次のバス(いつものバス)をその場で待てばよかったんじゃないの?
  • なぜ落としたことを気づいた時点で探しに戻らなかったの?

など。

こういった行動の根拠を考える練習を普段の生活のなかでもやっておくべきだと思います。

生活のなかでタイムリーに「なぜ?」を質問して本人が自分で考える訓練をしておくことで、考えて判断する力を養うことにつながっていくのではないかと思いました。

スマホの充電は普段からまめに

災害対策でも言われてますが、紛失時の対策としてもスマホの充電は普段からまめにしておいたほうがいいと思います。GPS探索、着信音での捜索では充電残が命です。

また着信設定はサイレントになっていると着信音での捜索ができませんので普段から消音設定にはしておかないことをおすすめします。ただ公共の場でのマナー行動もあります。理想は必要に応じてマナーモードに替えられる訓練をやはり普段から行っておくことがベストです。

ちなみにスマホを捜索する時間帯は目視もできる昼間に行ったほうが効率的だと思います。

5.その他の学び

今回の経験で親として気づくことや学びが他にもたくさんがありました。

パスコード設定は是非

やっている人が多いとは思いますが改めてこれは必須だと思いました。紛失時の一時予防にもなりますが、発達障害があるお子さんがこれから学校や社会に出たときの情報流出やトラブルから自分の身を守る防衛策になると思います。

使うサービスはなるべくシンプル、最低限に

今やスマホがあればできることがとても多い便利な世の中ですが、反面比例してリスクも増えていくということの怖さを感じました。

本人の自己管理や判断力に課題がある場合はおサイフケータイ、クレジット機能などお金に関わるサービスの利用は控える、友達や周りの人がやっているからなどの理由だけで仕組みがよく分からないサービスは使用しないなど。

トラブルや非常時のことも想定して必要最低限で節度を持ってスマホ利用をしていくことが必要だと思います。

本人のスマホとのつき合いかたも教育を

改めてですが、スマホに依存しない生活習慣を普段から作るようにしておくことが大事だと感じました。

家でスマホを使う時間や場所を決める、外出時の使用のルールを決めることはもちろん大事ですが、同時にスマホ以外の熱中できるような趣味作りに普段から行っていくことも重要だと思います。

そういったことを見つけるためにいろいろな経験を子供が小さいうちからさせるようにする、親がスマホ依存的にならないようにな姿を手本として見せていくなど、普段の生活や子育てのなかでできることはたくさんあると思います。

デジタルに依存しすぎない(親自身も勉強になる)

これは親(大人)にもいえると思います。スマホやデジタルに依存しすぎてそれがなくなると生活が止まる。そんな状況になっていないか親子で立ち止まって考えるいい機会になりました。

今回スマホが見つかるまでの1週間はほぼそれにプライベートの時間と労力を取られ、心身ともにかなり疲弊しました。でも反面、スマホに依存するリスク、親がリスクに無知であってはならないということを身をもって勉強するいい機会になりました。

便利になものの裏には同じくらい見えないリスクもあるということを。

ちなみに息子に公衆電話の存在をリアルで覚えさせる非常訓練にもなりました(^^)

警察からの連絡待ち依存にも注意(余計な出費につながることも)

落とし物届けをした際に警察から「見つかったら連絡します」と電話がありましたが、これについても依存しすぎず自分で随時確認をしたほうがいいと感じました。

特にあきらめて新しいスマホを購入しようと判断する前には届け出がないかの最終確認を警察にしたほうがいいと思います。

今回は紛失から1週間経って「仕方ない。あした新しいスマホを買いに行こう」とあきらめようとした日の夜に拾得物通知の書類が郵送で届いていました。ぎりぎり新しいスマホを購入する余計な出費をしなくて済んだ感じです。

通知には紛失して3日目には警察署に届けられていたと記載がありました。警察には多数の拾得物が届けられており、タイムリーに全落とし主に連絡をしていくのは難しいんだろうなと思ったのと同時に自分で最終確認することの大事さを感じました。

スマホは数万円するものが多く、安くはない買い物になりますから^^;

6.さいごに

デジタル化が進み世の中がどんどん便利になっています。また障害があってもなくても社会参加がしやすい世の中もどんどん広がっていっています。両方ともすごくうれしいことですし、今後ももっと環境がよくなっていけばと個人的には思っています。

同時に自閉症の息子を持つ親として世の中の便利なサービスを賢く活用するための必要な知識や防衛手段を身につけ、そういった点でも子供を支援していくことが必要だとも実感しています。

子供を支援しながらわたしたち親も勉強し、成長する

これからもそんな生活を続けながら自分なりの気づきや発見などを発信し、同じような環境で暮らすかたと情報共有していくことができたらと思っています(^_^)

-子育て

執筆者:

シンゴ

30代後半に腰椎ヘルニアで長期入院。

健康のありがたみに気がつき、生活改善と15kgの減量を行いました。

以来、生活トレ、健康的な食事をルーティンとし、アラフィフになった現在も強い身体を維持しています。

お一人好きで面倒くさがりな性格なので、家でマイペースでできる「おうちトレ」でこれからもいい身体づくりに励んでいきたいと思っています。